■「自分たちのサッカー」だけで勝てるのか?
良いサッカーをしていれば、自分たちのサッカーをしていれば勝てる、というほど、プロの世界は甘くない。ステージが上がるたび、相手の実力も上がっていく。自分たちの戦い方をしていれば勝てるというならば、相当な実力があるということだ。そういう戦い方を、日本では「横綱相撲」と呼ぶ。現在のJリーグの横綱である川崎フロンターレも、現在地にたどり着くまでには紆余曲折の長い道のりをたどってきた。
徳島は久々にJ1に挑む2021年シーズン開幕前に、経験や実績のある選手ではなく、若手を獲得していた。予算の問題もあるのかもしれないが、アルビレックス新潟の本間至恩の獲得の噂もあった他、まだ10代の藤田譲瑠チマの獲得など未来を見据えた補強をしていた。
その未来志向のクラブが、どんなチームをつくっていこうとするのか。その手腕次第では、今季の悔しさも大きな糧となり得る。クラブのかじ取りは終わっておらず、まだまだ先を見据えて荒波を乗り越えていかねばならない。