■3万人を満足させるに足るスリリングな攻防

 新型ウイルスの出現からわずか1年ほどというスピード感で「mRNA型ワクチン」が実用化され、日本では全人口の75%を超える人々が2回のワクチン接種を終え、さらに日本では「マスクの着用」が厳格に守られてきたおかげであろう。そして、Jリーグは新型コロナウイルス感染症の拡大という事態に対して、いち早く、政府の要請を待たずにリーグ戦の中断を決断。その後は、プロ野球機構(NPB)と協力して、PCR検査の全権検査など科学に基づいた対策を実行してきた。

 こうした努力が実を結んで、2021年シーズン最終節で、ついに3万人を超える観客を動員できるまでになったのだ。

 第38節の横浜FM対川崎の試合は、その3万人の観客を満足させるに足る攻撃的なスリリングな攻防だった。

 シーズン終盤で失速して川崎の独走を許してしまった横浜FMだったが、最後の川崎戦でその攻撃サッカーの力を見せつけたことで、マリノス・サポーターも一定の満足感を持ってシーズンを終えることができただろうし、選手たちも良いイメージを持ってオフに張ることができる。

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