2020年のJ1は川崎フロンターレが2シーズン連続で制した。独走になった格好だが、最終節の横浜F・マリノスとの対戦では来シーズンのさらなる活性化へのヒントが見えた。現在の国内最高峰のバトルから、サッカージャーナリスト・後藤健生が考察する。
■得点王を譲らぬ前田のゴール
先制ゴールをきっかけに、ゲームは大きく動き出した。
横浜F・マリノスのケヴィン・マスカット監督は仲川輝人を投入して、エウベルを左に回し、前田大然を中央に置いてレオ・セアラとのツートップに変更した。
左右から速いクロスを入れて中央で勝負させるのは、横浜FMの最大の攻撃パターンと言ってもいい。前半は、せっかく攻め込んでいる時間が長かったのに、中央がちょっと薄かったのだが、1点のビハインドとなってツートップに変更した後、再び横浜FMが攻め込む場面が増えた。
そして、川崎フロンターレの先制ゴールからわずか7分後に左に回っていたエウベルからのクロスにツートップが絡んで、最後は前田が押し込んで同点とする。得点王争いでも、前田が再びレアンドロ・ダミアンと並ぶことになる貴重なゴールだった。