【J1考察】王者を相手に見せつけた横浜F・マリノスの真骨頂「誰もが幸せになれる試合」【現在の日本サッカー「最高峰」を争ったJ1最終節】(3)の画像
今季の前田は最後まで目覚ましい活躍を披露した 写真:原壮史

 2020年のJ1は川崎フロンターレが2シーズン連続で制した。独走になった格好だが、最終節の横浜F・マリノスとの対戦では来シーズンのさらなる活性化へのヒントが見えた。現在の国内最高峰のバトルから、サッカージャーナリスト・後藤健生が考察する。

■得点王を譲らぬ前田のゴール

 先制ゴールをきっかけに、ゲームは大きく動き出した。

 横浜F・マリノスのケヴィン・マスカット監督は仲川輝人を投入して、エウベルを左に回し、前田大然を中央に置いてレオ・セアラとのツートップに変更した。

 左右から速いクロスを入れて中央で勝負させるのは、横浜FMの最大の攻撃パターンと言ってもいい。前半は、せっかく攻め込んでいる時間が長かったのに、中央がちょっと薄かったのだが、1点のビハインドとなってツートップに変更した後、再び横浜FMが攻め込む場面が増えた。

 そして、川崎フロンターレの先制ゴールからわずか7分後に左に回っていたエウベルからのクロスにツートップが絡んで、最後は前田が押し込んで同点とする。得点王争いでも、前田が再びレアンドロ・ダミアンと並ぶことになる貴重なゴールだった。

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