12月6日、Jリーグの2021年を締めくくる『2021 Jリーグアウォーズ』が開催。シーズンMVPは川崎フロンターレのレアンドロ・ダミアンが受賞したが、J1の「優秀監督賞」は浦和レッズのリカルド・ロドリゲス監督が受賞した。昨年12月の監督就任発表から1年で、同監督がこの賞を受賞した「理由」と「ベストゲーム」を浦和担当記者が考察する。
浦和レッズの2021年シーズンは6位という位置で終わった。ACL出場権の3位には届かなかったものの、ルヴァン杯では準決勝に進出し、天皇杯でも準決勝に進出している。リカルド監督本人も「3つの大会をこれだけ長く戦ったのは浦和と名古屋だけ」とコメントしていたが、シーズンを通じての実績には疑いがない。
リカルド監督が浦和で成功した理由は、大きく3つある。「チームの若返り」「ビルドアップへの意識」「選手を見極める眼」だ。また、今季のベストゲームは、9月1日のルヴァン杯の準々決勝対川崎の第1戦のホームゲームだろう。
理由1 若返り
小泉佳穂、明本考浩、伊藤敦樹を開幕スタメンにもってきたのは衝撃的だった。それだけ新加入選手への信頼が厚かったというか、きっと選手をよく見ているんだろうな、という印象を受けた。
2月のキャンプ取材時には、正直、チームとしてそれほど期待できる感じではなく、トレーニングマッチでも札幌相手に撃沈。それでも彼らの力を信じて開幕スタメンに抜擢し、「この監督は今までと違う」と感じられた。実際、開幕戦での新加入選手たちの動きの良さに、サポーターも報道陣も一気に心を掴まれた、という感じがあった。