■浦和のベストメンバーに8選手

 ベスト監督は、やはりリカルド・ロドリゲス。ここ数年は低迷していた浦和を、一気に上位へと押し上げた。改革者としての役割も果たし、若手選手を積極的に起用するなど、選手の顔ぶれも一新。ボールを保持してゲームをするという新しい浦和のスタイルを築きあげた。試合中の修正力も際立ち、前半に攻めあぐねても、早々に交代カードを切って後半は巻き返すというその手腕も評価したい。

 そんな浦和からの選出は、控えも含めて合計8人。

 GKはベテランの西川周作。一時期、GK鈴木彩艶にスタメンの座を譲った時期もあるが、ベンチで戦況を見守っていた時期は、飲水タイムで鈴木に真っ先に声をかけ、さらに試合後には必ず自主的にランニングをする姿が印象的だった。

 浦和はMF阿部勇樹が現役引退を表明し、さらにDF槙野智章とDF宇賀神友弥が今シーズンをもって退団することになっている。チームに長年在籍し、タイトル獲得にも貢献した選手が去る中、そんなレジェンドたちと戦いを共にした西川は、今後、チームの精神的支柱としてプレー以外でも大きな役割を果たすにちがいない。

 デンマーク人のDFアレクサンダー・ショルツは、今夏の移籍で浦和に加入した。8月に行われた第24節の鳥栖戦でJリーグデビューを果たし、ここまで13試合連続で先発している。守備の安定感はチーム随一で、ゴール前での冷静なプレーが持ち味である。ピンチの場面でも、ボールを蹴り出す位置をしっかり確認するなど、的確な判断ができる。リカルド監督からの信頼も厚く、浦和の不動のCBになりつつある。

 右SBは、なんといっても日本代表のDF酒井宏樹。今夏にフランスのマルセイユから移籍し、9年ぶりのJリーグ復帰となった。東京オリンピック参戦後に浦和に加入したが、酒井も加入後から11試合連続で先発出場を果たし、一気にスタメンに定着。攻撃にも積極的に参加し、酒井を起点にしたサイドアタックは浦和の持ち味になっていて、今や欠かせない選手といえる。

PHOTO GALLERY 浦和担当記者Eの2021年ベストイレブン
  1. 1
  2. 2
  3. 3