■加入後から“即戦力”となった選手たち
ボランチの一角は、MF平野佑一。今夏に水戸ホーリーホックから加入した平野も、ショルツや酒井と同じく、加入後すぐに主力選手として活躍した一人。今シーズンの浦和のダブルボランチの組み合わせは様々だったが、ファーストチョイスは平野になっているといっても過言ではない。他の選手とのポジションを意識しているのか、絶妙な距離間を保ってプレーする姿が印象的。4-1-4-1の布陣を取ることもある浦和だが、アンカーとしても抜群の安定感を見せる。
また、攻撃陣からは、MF明本考浩とMF江坂任を選出。左SHとして選出した明本は今シーズンにJ2の栃木SCから加入したが、彼の大きな特長はその多様性にある。GKとCB以外なら、右でも左でも、どのポジションでもプレーが可能という強者。実際、今シーズンに明本が起用されたポジションは、ワントップ、トップ下、右SH、左SH、ボランチ、右SB、左SBと、ほぼすべての位置でプレーしている。しかも、試合終了間際になっても、長距離をタフに走り切る運動量も備える。10月に負傷したが、天皇杯に向けて調整は順調。復帰が待ち遠しい。
今夏に柏レイソルから移籍した江坂は、主戦場であるトップ下で起用したい。ストライカーが不在だった時期にはワントップを務めるなど、前線であればどの位置でもプレーが可能。他の選手との連携したパスやプレスなど、見どころも多かった。加入後から5ゴール1アシストを決めて、彼自身も浦和でのプレーに手応えを感じたにちがいない。
控えには、MF小泉佳穂。今シーズンにJ2のFC琉球から加入した小泉は、リーグ戦の序盤からスタメンに定着し、巧みなボール捌きで攻撃を牽引。小柄ながら相手に寄せられてもボールをキープする技術に大きな期待が寄せられた。今シーズンの浦和を象徴する選手の一人ではあるが、中断明けからはコンディション不良などでベンチスタートが増えたため、泣く泣く控え選手として選出した。
FWキャスパー・ユンカーは、5月のリーグデビューから連続ゴールを記録し、瞬く間に話題をさらった。しかし、その後は怪我などの影響で出場機会が減り、インパクトに欠けてしまったのが惜しいところ。それでも、チームではトップスコアの公式戦16ゴールをマークするなど、ベンチスタートであっても結果を残し続けているため、やはり外せない。
このほか、MF柴戸海、直近でゴールやアシストを連発しているMF伊藤敦樹も最後まで候補に残ったが、来季のさらなる活躍に期待したい。