■ユナイテッドが崩壊どころか先制点奪取
攻撃は肝心のパスが悉く合わずにチェルシーに渡ってしまい、勢いのあった守備も、20分が経つとトーマス・トゥヘル監督のチームに適応された。一度落ち着くと、その後はプレスの精度の差が如実に表れるようになった。
チェルシーは、連動ではなく個々の奮闘になっているユナイテッドのプレスを回避。一方、ユナイテッドはチェルシーのデザインされたハイプレスに対抗できなくなってしまった。
ダビド・デ・ヘアの好セーブによって前半はスコアレスで折り返したものの、ボールではなく人に突っ込んでしまう場面が増えたユナイテッドが崩壊するのは時間の問題に思われた。
ところが、先制点はユナイテッドにもたらされた。
チェルシーのフリーキックからの流れでブルーノ・フェルナンデスが大きくクリアすると、センターサークルにいたジョルジーニョがトラップしようとしたところでミス。UEFA欧州最優秀選手を受賞し、2021年のバロンドールの有力候補であるジョルジーニョのこの信じられないミスを見逃さず、ボールを猛ダッシュで追いかけていたジェイドン・サンチョが攫い、同じく駆けていたマーカス・ラッシュフォードと併走しながらキーパーとの2vs1を冷静に制した。