■J3降格圏の4チームの共通点とは?
19位の相模原以下の4チームがJ2残留を果たすには、4連勝がノルマになるだろう。
残り4試合にも6ポイントマッチがあり、相模原は40節に愛媛と、41節に松本と対戦する。愛媛は40節の相模原戦に加えて、最終節で山口と激突する。
21位の北九州は、次節が山口との関門海峡ダービーで、41節に栃木戦を控える。最下位の松本は40節が山口戦、41節が相模原戦だ。
直接対決でライバルを蹴落とすのか。それとも、引分けで痛みを分け合うのか。あるいは、勝点3を献上して相手を利することになってしまうのか。J2残留のためには4連勝をノルマとしながらも、直接的に潰し合うことになるわけだ。
降格圏4チームの後半戦を比較すると、19位の相模原が5勝6分6敗の成績を残している。愛媛は3勝、北九州と松本は2勝しかあげていないから、相模原の巻き返しは際立つ。
実際に高木琢也監督の就任をきっかけとして、チームのプレーモデルが整理された。シーズン途中に獲得したDF木村誠二、藤原優大、MF松橋優安、MF成岡輝瑠らを戦力として取り込み、チーム力アップへつなげていった。
ただ、勝ち切れないのだ。前述したように22節以降の成績は悪くないのだが、負けた6試合はすべて1点差負けなのだ。
高木監督の指揮下では首位の磐田と引分け、2位の京都とも1対2の接戦を演じた。力はつけている。あとは、勝ち切れるか。愛媛、松本との直接対決を制するのはもちろん、39節のファジアーノ岡山戦、最終節の東京ヴェルディ戦でも勝点3をつかみたい。
20位の愛媛、21位の北九州、22位の松本も、ゲーム内容が極端に悪いわけではない。大敗や完敗が続いていることはなく、それぞれの試合で主導権を握る時間帯もある。
問題は相模原と同じだ。勝ち切れないのである。
競り勝てなかった、競り負けたという試合が続くと、選手たちの自信が揺らぐ。「今日も同じようにやられるのでは」とのネガティブな胸騒ぎにとらわれ、プレーの積極性を失ってしまう。反発力を発揮できなくなる。その結果として、負の連鎖に陥っていくのだ。
J2残留争いには、実はもうひとつの側面がある。J2からJ3への降格に伴って、J3からJ2への昇格もある。J3の上位2チームが昇格の権利を得るが、その前提としてJ2ライセンスを保持しなければならない。
今シーズンのJ3を見ると、J2ライセンスを持たないテゲバジャーロ宮崎が2位につけているのだ。このまま宮崎が2位以内でフィニッシュすると、J3からJ2へ昇格するのは1チームとなる。J2からJ3へ降格するチームはひとつ減り、19位のチームが残留できるのだ。
J2で戦っている各チームは、残り試合に全力を注ぎこむだろう。そのうで、J3の結果も頭の片隅に置いていくかもしれない。
過去に例を見ない壮絶なサバイバルは、12月5日の最終節まで続く。