■今季J1優勝の「川崎前鋒」

 中国人編集者にとって日本の地名や人名は楽なはずです。元々、漢字があるからです(発音はまったく違いますが)。しかし、チーム名はやはり意訳が多いようです。

 川崎フロンターレは「川崎前鋒」、横浜F・マリノスは「横浜水手」、サンフレッチェ広島は「広島三箭」、モンテディオ山形は「山形山神」といった具合です。ブラウブリッツ秋田はドイツ語がチーム名(青い閃光)になっていますが、これもちゃんと「秋田藍閃電」と意訳しています。まあ、コンサドーレという意味のない造語(「どさんこ」の逆読み)の場合はチーム名も「北海道札幌岡薩多」と音訳になりますが……。

 でも、もちろん中にはビックリ訳、迷訳もあります。

 昔、香港の新聞を読んでいたら、「真馬徳里」というチームが出てきました。「馬徳里」はマドリードですよね……。さて、「真」とは? そう、この新聞の編集者はスペイン語の「REAL」を英語の「REAL」と混同してしまったのです。英語の「リアル」、つまり「真実」ですね。

 それから、日本代表の記事の中に「津波選手」という選手が出てきたことがありました。「え、そんな選手っていたっけ?」。よく読んでみると、これは「都並敏史』選手のことでした。読売サッカークラブと日本代表の不動の左サイドバック。現在はブリオベッカ浦安(千葉県、関東リーグ1部2位)で監督をしています。

 きっと、英語の記事があったんでしょう。「TSUNAMI」という選手名を見た編集者は、英中辞典かなんかを調べたんでしょう。そして「TSUNAMI=(津波)」というのを見つけて、津波選手の記事を翻訳したのですね、きっと。

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