■キング「貝利」と神の子「馬拉多納」
日本の編集者が人名表記に悩む以上に大変なのは中国人編集者です。なぜなら、彼らは新しい選手が登場するたびにその名前を漢字で表記しなければならないからです。キリアン・エンバペだったら「基利安姆巴佩」、ヨハン・クライフだったら「約翰克魯伊夫」といったふうにです。ペレの「貝利」、マラドーナの「馬拉多納」なんていうのは易しい方でしょう。
チーム名は意訳が多いようです。「曼聯」はマンチェスター・ユナイテッド、「曼城」はマンチェスター・シティのことです。「曼」はマンチェスターのこと。「聯」は「連」と同じで連合(ユナイテッド)のことです。「城」は中国語では「市」という意味ですから、「シティ」ですね。
「皇家馬徳里」は「レアル・マドリード」のことです。「馬徳里」は音を当てはめた当て字です。スペイン語のレアル(REAL)は英語の「ロイヤル」に当たる「王の」という意味の言葉ですから、これを中国語に意訳して「皇家」となるわけです。