■「気持ちが乗り移ったゴール」とチョウ監督

 試合後のチョウ・キジェ監督は、「非常に難しい試合でしたけど、最後、自分たちが昇格したいというか、もっとうまくなりたいというか、そういった気持ちがあのゴールに乗り移ったと思います」と興奮を抑えるように話した。

 川崎の得点について聞かれると、「今年1年、勝負の責任を持ってやれということで非常に成長しました」と評価した。さらに続けて、「それを支えたのはあのキックを蹴った、10番を着けていて今年初めてサンガスタジアムの出場だったと思うんですけど」と途中出場した庄司悦大に触れ、チョウ監督は言葉を詰まらせた。

「しんどかったなと思うなかで、ホントに我慢してここまでやってくれたと思います。彼の頑張りがそういうところにつながって、颯太が取ったのはホントに良かったなと思います」

 背番号10を背負う庄司は、前節の愛媛FC戦が今シーズン初めての出場だった。メンバー外の日々が続くなかでチャンスを待ち続け、大一番で起用に応えた32歳の献身性に触れ、チョウ監督の胸に熱い思いが込み上げてきたのだろう。

 首位を走るジュビロ磐田も1対0で勝利し、勝点を80に伸ばした。勝点78の京都は2位のままだが、3位のV・ファーレン長崎とは勝点10の開きがある。2010年以来となるJ1の舞台が、いよいよ見えてきた。

 しかし、チームは足元を見据える。川崎が言う。

「1試合、1試合、それよりも目の前の今日の練習、明日の練習を意識してやっているので、それを徹底してやっていきたいと思います」

 日々の積み重ねを何よりも大切にするチームは、7日の38節で磐田との直接対決に挑む。

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