■10月30日/JリーグYBCルヴァンカップ決勝 名古屋グランパス 2-0 セレッソ大阪(埼玉)
ルヴァンカップ制覇の立役者は、間違いなく稲垣祥だ!
稲垣は決勝戦でも見事なゴールで追加点を奪って勝利を手繰り寄せたが、このゴールが大会4得点目。キャスパー・ユンカー(浦和)、アダイウトン(FC東京)、仲川輝人(横浜FM)と並んで大会得点王に輝いた。
だが、稲垣は本来、チームのために走る人。名古屋が堅守を誇るのも、稲垣が中盤で献身的な動きと機器察知能力を働かせるからで、今大会のMVPにも選ばれた。
稲垣の最大の特徴は、「ボックス・トゥ・ボックス」と呼ばれるものだ。これは、“自陣のペナルティエリアから相手のペナルティエリア”まで攻守に奮闘するプレースタイルを意味しており、オフェンスとディフェンスの両方がこなせる選手でなければ務まらない。
稲垣はルヴァン・C大阪戦で勝利を決定づける得点を決めて見せたが、これも、守備から一転して前線に走ったことが大きい。FWシュヴィルツォクが相手GKとの1対1で放ったシュートは阻まれたが、稲垣だからこそ、そのボールがこぼれたあのポジションに詰めることができた。
準決勝・FC東京戦では決勝進出を決めるゴールを稲垣が決めたが、これもFWシュヴィルツォクのシュートが相手GKにブロックされたところに詰めていたから。守備では常に顔を出し、攻撃ではセンターフォワードと同じ位置まで上がる。稲垣はそういう選手だ。