■日本代表最激戦区の中盤に食い込んでいける
中盤の松岡大起、田中聡、中井卓大の3人は、パリ五輪が開催される24年を待たずに、日本代表入りを狙うべきタレントだ。
ボランチ、アンカー、インサイドハーフと呼ばれるポジションは遠藤航を軸に柴崎岳、守田英正、田中碧、橋本拳人らが競う日本代表の最激戦区だが、4-2-3-1だけでなくオーストラリア戦で使われた4-3-3がオプションになっていけば、質、量ともにさらに選手が必要になっていく可能性はある。
パリ世代の中核を担う松岡は、ボール奪取と展開力に優れたボランチだ。4-3-3のアンカーは適任である。リーダーシップも備えており、チーム全体に目配せができる。
日本代表入りを現実的なターゲットとするには、攻撃への関わりを増やしていく必要がありそうだ。所属する清水エスパルスではバランスを優先して攻撃を自重している場面が見受けられるが、思い切って飛び出すプレーがあってもいいだろう。
田中はアンカーでもインサイドハーフでもプレーできる。攻撃にも効果的に絡んでいく。伸び盛りの19歳は、湘南のアカデミーから海外クラブへはばたいた遠藤航や齊藤未月のように、攻撃でも守備でも力を発揮できるのだ。J1で試合を重ねることで力強さや逞しさも増しており、今後の成長が楽しみな選手だ。
中井は10月24日に18歳の誕生日を迎えた。ボールキープ力に優れ、プレッシャーを受けてもスルリと交わすことができる。パサーにもレシーバーにもなれるところは田中碧や守田に重なるところがあり、プレーエリアが広い。
右利きだが左足のキックにも無理がなく、右足に持ち直さずにプレーできる。さらに、プレッシャーを受けた際にギリギリで判断を変えることができる。プレーをキャンセルできるスキルは、世界のトップレベルで戦っていくための必須条件だ。
レアル・マドリードの下部組織で、中井は順調にステップアップしている。パリ五輪を目ざすチームへの合流はなかなか叶わないが、招集可能なタイミングがあればプレーさせたい。