■「ホームタウン」の意味するところ

 たとえば浦和レッズは「ハートフルクラブ」というサッカー教室活動をしている。元日本代表の落合弘さんを中心に学校などを回り、元気な子どもたちを育てようという地道な活動だが、学校では得られない体験ができ、貴重な話を聞くことができると、高い評価を得ている。

 浦和レッズの「ホームタウン」は「さいたま市」で、「活動区域」は「埼玉県」とされているので、このなかでの活動には基本的に問題はない。川口市など市外の学校に出かけていくことも珍しくない。「ハートフルクラブ」は、ときに活動地域まで飛びだし、海外でサッカー教室を開くこともある。Jリーグの他クラブのホームタウンでも活動区域でもないので、リーグ内では問題がない。

 ところが、さいたま市内でも、これまで「ハートフルクラブ」を開催することができなかった地域がある。それは「さいたま市大宮区」など、旧大宮市の地域だ。もちろん、大宮アルディージャ(こちらもホームタウンと活動区域はさいたま市と埼玉県)があるからだ。ホームタウンと活動区域が重なっている場合には制約はないが、「やはり遠慮する」というのだ。

 そもそもJリーグの「ホームタウン」とは何か。リーグ規約には「ホームタウン(本拠地)」となっており、クラブがどの地域に立脚しているかを表すものだ。

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