■2位京都も2試合連続の引分け
2位の京都も下位チームに苦しめられた。レノファ山口FCとのホームゲームは、1対1に終わったのだ。1点リードで迎えた56分に相手が退場者を出し、数的優位に立ったなかでのドローだが、運に見放された試合である。後半終了間際に微妙な場面があったのだ。
ヨルディ・バイスのシュートがバーを叩き、ゴール内へ落下したように見えた。しかしノーゴールの判定が下され、勝ち越しとはならなかったのだ。
試合後のフラッシュインタビューに応じたチョウ・キジェ監督は、「選手たちは90分プラスアディショナルタイムを通して、自分がチームを勝たせるという気持ちでやってくれた。結果は非常に残念ですが、ファイティングスピリットを出して自分たちのサッカーをやろうという気概を感じました」と、チームのパフォーマンスを評価した。
バイスの得点が認められなかったことを問われると、10秒をこえる沈黙ののちに口を開く。身体のなかに渦巻く様々な感情を、整理するための時間だったのかもしれない。
「VARという制度がJ2にはないので、それがあればという気持ちはありますが、そもそもVARがないのは分かっているので、そのことをとやかく言うつもりはありません。レフェリーの判定については受け入れなきゃいけない立場なので、そのことについてとやかく言うつもりはありません」
映像による確認が行なわれていれば、得点として認められていた可能性は高い。しかし、試合が終わったいまは受け入れるしかない。チョウ監督は「勝点3を取れなかったのは非常に残念ですが、こういう経験は間違いなく選手たちを伸ばしていくものですし、まだまだ簡単に勝ちを享受しちゃいけないんだよ、と言われているととらえて、僕自身も現実に向き合ってこの結果を次につなげていきたい」と、自チームと自らへ矢印を向けた。
客観的かつ前向きに結果をとらえていく姿勢はこの日も変わらず、それこそが就任1年目にして昇格争いを演じてきた最大の要因である。2試合連続のドローゲームは痛いが、試合後のチョウ監督はすでに前を向いていた。