■東京オリンピックの影響

 ベレーザの出遅れにはいくつかの原因がある。

 ひとつは東京オリンピックの影響だ。

 日本代表監督である高倉麻子監督(当時)は自身もベレーザ出身で、ベレーザ中心のチーム作りを続けており、東京オリンピックではベレーザからは最多の6人が招集された(INAC神戸からは5人、浦和からは4人)。また、昨シーズンまでベレーザに所属し、その後海外移籍を果たした長谷川唯ACミラン)や籾木結花(OLレイン)、ベレーザからライバルであるINAC神戸に移籍したFWの田中美南やGKの山下杏也加を含めればベレーザ出身者の数はさらに多くなる。そう、エースとして攻撃を引っ張った岩渕真奈(アーセナル)もベレーザ出身者である。

 多くの選手が招集されたという意味では、浦和やINAC神戸も状況は似たようなものではあるが、やはりWEリーグ開幕に向けた大切な準備期間に6人もの中心選手がチームを離れていたことは、ベレーザのチーム作りには大きな影響を与えたはずだ。

 WEリーグは、オリンピック前の4月から6月にかけて「プレシーズンマッチ」を行った(大会形式ではなく、全22試合が開催された)。代表に選手を送り込んでいない多くのチームは、この当時から本格的にチーム作りを進めていたのに対して、最多の6人をオリンピック代表に送り込んだベレーザは本格的な準備に入れないでいた。

 開幕を前に、もちろん代表選手たちも戻ってきたが、オリンピックで4試合を戦った疲労は残っていたはずで、オリンピック終了後すぐに本格的にチーム作りを始動できたわけではない。

 このように、いろいろな面で東京オリンピックの負担が一番大きかったのがベレーザだったことは間違いない。

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