■新ルール下で完成した「ピラミッドシステム」

 そのルールの下で「完成形」とされたのが「ピラミッドシステム」である。今日的な表現法を使えば「2-3-5(DF2人、MF3人、FW5人)システム」。1877年に最初の記録が見られ、1880年代には広く使われるようになった。実際にこのシステムは1930年ごろまで世界の主流となる、「3人制オフサイド」の下でのひとつの「完成形」であり、1936年のベルリン・オリンピックに参加した日本代表も採用していた。日本代表は現地ベルリンに行って欧州では「WM」と呼ばれるシステムが主流になっていることを知り、急きょ変更して初戦でスウェーデンに3-2で勝つという歴史をつくった。

「ピラミッドシステム」の守備のカギは「オフサイド・トラップ」だった。「3人制オフサイド」ということは、GKと、ひとりのDFは、ペナルティーエリア内とその少し外にいて相手の攻撃を迎え撃つことができる。もうひとりのDFは、ハーフライン近くまで前進し、相手が前線の選手にパスをする直前に前進して相手FWをオフサイドにした。仮にそれに失敗しても、もうひとりのDFとGKで簡単にゴールを割らせることはなかったのである。

 1907年にオフサイドポジションになるのは相手陣内だけになったが、ショートパスを得意とするスコットランドのクラブと協会は繰り返しオフサイドを「3人制」から「2人制」にするよう要求した。それがようやくイングランドの協会に受け入れられ、改正が決まったのが1925年のことだった。

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