■今週末がサバイバルレースの本格スタート
その「シックス・ポインター」が早速、今週末にやってくる。
降格圏内同士による直接対決は、大分トリニータとベガルタ仙台の顔合わせである。現在は仙台が勝ち点1差で大分を追う立場だが、勝利すれば当然、立場は入れ替わる。勝ち点も得失点差も、ともに「1」しか違わない両チームのJ1第15節における今季の初対戦は、2-1で仙台に軍配が上がっている。
最下位に沈んでいる横浜FCは、徳島ヴォルティスと対戦する。前節に連勝で降格圏を脱出した徳島を迎え撃つ横浜FCは、第6節の今季初対戦では1-2で徳島に敗れている。しかし横浜FCは、第30節の「横浜ダービー」で退場者を出しながらも横浜F・マリノスと引き分け、続く前節は鹿島アントラーズに2-1で勝利と、強敵相手の連戦で勝ち点を重ねてきた。大分と仙台の対戦の結果次第ではあるが、最下位脱出のチャンスはあるのだ。
今季2度目の連勝で降格圏を抜け出した徳島は、いわば追いすがる相手を振り切りたい立場にある。追う立場の方が楽、とよく言われるが、裏返せば追われる立場の方が苦しいということだ。徳島は、そのハードなシックス・ポインターを連続で戦う。1週間後の第33節では、現在18位の大分がホームに乗り込んでくるのだ。
翻って、徳島戦は大分にとっても「残留直接対決連戦」である。横浜FCも徳島に続いて湘南と、同じ神奈川県内のチームと生き残りを懸ける二重の意味を持つライバル対決に臨む。
勝てば大きな力を与えられ、負ければ地の底に突き落とされる残留直接対決。そのポジティブな効用を手にできるのは、どのチームなのか。10月16日、17日の第32節は、J1残留争いに大きな影響を与えそうだ。