2021シーズンのJ1リーグは、佳境へと突入していく。それぞれのチームが求めるゴールへと向かって、さらなる加速を狙うこととなる。
ACLの出場権をめぐる3位争いなど上位ももつれているが、J1残留争いも相当に熾烈だ。昨季はコロナ禍での特別なレギュレーションで降格がなかった分、今季は4チームがJ2へと自動降格する。例年以上に過酷さの色合いが濃いのだ。
天国と地獄を分ける生き残りのポイントはどこになるのか? どのチームが危ないのか? これまでのJリーグでの戦いぶりから、サバイバルレースの行方を占う。
今季のJ1残留・降格を分けるラインは、「勝ち点34」になる可能性がある。その残留ライン(あるいは降格ライン)にたどり着くまで、残された試合は7ゲーム。残留を争うチームは、この7試合で勝ち点をかき集めていかなければならない。
前節、残留争いに動きがあった。徳島ヴォルティスが、今季2度目の連勝を飾り、6試合ぶりとなる降格圏脱出を果たしたのだ。代わって降格圏へと落ちたのは、2試合連続で神奈川ダービーを落として5試合勝利から見放されている湘南ベルマーレだった。
湘南にとって、第25節以来となるレッドゾーン突入は、ショックな事態に違いない。だがサバイバルレースは終了しておらず、当然ながらJ1残留の目が消えたわけではない。いや、むしろチャンスは十二分にあるとも言える。
そもそも、徳島と湘南の現時点での勝ち点差は「2」に過ぎない。つまりは前節と同様に、今週末の第32節の結果次第で、両チームの順位が再びひっくり返る可能性があるわけだ。しかも最終節を前にした第37節には、徳島との直接対決も待っている。