■杉岡は自信を失うことはなかった
６６分、仲川が右サイドボールを持ったところからマリノスが細かく繋いで湘南を崩そうと試みる。パスを出して走り出した仲川に対応したのは杉岡大暉だ。パスが小池龍太、喜田拓也と繋がったところでフリックに反応した杉岡がボールをカットすることに成功したが、前に流れる形になったボールに向かって仲川が一気に加速。プレースピードを緩めていた石原広教に先んじてボールをものにすると、そのままペナルティエリア深くに進入して前田大然のゴールをアシストした。
湘南の山口智監督は試合後「点を取られたところは一瞬の迷いが失点に直結した」「自分自身もですが、自信を持ちながら勝負に徹するところをもっと磨いていかないといけない」とこの場面を悔やんだ。石原自身が「消極的なところは９０分通してなくしていかなければいけない」と口にしていたのだが、一瞬油断が生じてしまった。前半の良いプレーが最後まで続かないのは、体力の問題だけでなく、結果が出ていないことでふと迷いが生じるタイミングがどうしても出てくるからなのだろうか。
しかし、決して自信を失わない姿勢を見せた選手もいる。不運にもカットが実らなかった杉岡がその筆頭だった。
