川崎フロンターレがギリギリの戦いの中で勝点を積み重ねた第29節と第30節。川崎を追う立場にある横浜F・マリノスは足踏み状態だった。
第29節は名古屋グランパス相手にアウェーで敗れて勝点はゼロ。そして、第30節では同じ横浜を本拠地とする横浜FCと対戦した。
横浜FCは最下位に沈んでいる。しかし、必ずしも結果にはつながっていないものの、オリンピックによる中断後の横浜FCは組織的な守備を確立して内容的には改善されていた。その横浜FCの厚い守備によって勝点3を必要とする横浜FMは大苦戦を強いられることになる。
横浜FMの攻撃は前線の4人(中央のレオ・セアラ、右のエウベル、左の前田大然、トップ下のマルコス・ジュニオール)に加えて、両サイドバックがインサイドハーフのポジションに上がってくることで相手を混乱させる所に特徴がある。
一方、横浜FCは守備の時には5バックとなって相手の前線をしっかりと捉まえる。そして、たとえば横浜FMのサイドバックが上がってきたとしても、そこはシャドーの2人(三ツ沢でのダービーでは、松尾佑介と瀬古樹)を含めてMFがサボることなくチェックを続けるので、最終ラインの5人は相手の前線に集中して守ることができる。しかも、最終ラインの後方には信頼できるGK(スベント・ブローダーゼン)が控えているので安心して勝負に行けるのだ(ブローダーゼンのコーチングの声もDFにとっては心強い)。