■「ほんの小さな違い」が結果につながる

「残留ライン」のめどは、通常、試合数と同数の勝ち点と言われる。とすれば、今季は38。残り10試合でこの数字に届かせるには、現在「降格圏内」にいる4チームだけでなく、「あと勝ち点12」の湘南と清水、さらには「8」のG大阪まで、1試合1試合に集中した戦いが必要になる。

 上位と下位、あるいは優勝争いと残留争いの対戦といっても、Jリーグでは試合前から結果が決まっているような戦いにはならない。下位のチームがしっかりパスをつないで人数をかけた攻撃を繰り出し、上位チームをたじたじとさせる試合を見ることは珍しいことではない。そうした試合を第28節まで進めてきたいま、首位川崎が勝ち点66、最下位横浜FCが18となっているのは、一つひとつの試合で「ほんの小さな違い」が勝ち点3と0の違いとなり、積み重なって大きな差となったからだ。

 熾烈を極める残留争い。残り10節、どのチームも苦しい。しかしそのなかで、チームが一丸となってその「ほんの小さな違い」を乗り越え、勝ち点を積み重ねようとする必死の戦いは、見応えがあるに違いない。

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