■降格圏のチームに求められるもの

 17位の徳島は昨季のJ2優勝をもたらしたリカルド・ロドリゲス監督が浦和に移り、コロナ禍による日本政府の方針で後任のダニエル・ポヤトス監督の来日が大幅に遅れたのが大きな痛手となった。8月15日、第24節のG大阪戦から5連敗、しかもその間に得点なしという状態で、それまでキープしていた中位から急激に順位を落とした。昨季17得点し、J2優勝の立役者となったFW垣田裕喗(今季まだ3得点)の活躍を期待したい。

 18位のベガルタ仙台は、3月から4月にかけて6連敗という苦しい時期があったが、その後はGKヤクブ・スウォビィクを中心とした粘り強い守備で持ち直し、降格圏からの脱出も近いかと思われた。しかし8月21日に横浜FMに0-5で敗れてチームのバランスが崩れたのか、そこから3連敗。粘り強い戦いを取り戻し、「負けない試合」を積み重ねていくことが求められる。

 19位の大分トリニータは、第28節に湘南に2-0で快勝し、2カ月ぶりの勝利をつかんだ。片野坂知宏監督に率いられ、一昨年、6年ぶりにJ1に復帰した大分は、その攻撃的なサッカーで1年目9位、2年目11位と旋風を巻き起こしたが、今季は主力が大量に流出、非常に苦しい立場に追い込まれている。懸命の戦いを続けているが、今季まだいちどもない「連勝」をひとつ入れられたら、立場は大きく変わるはずだ。

 そして20位の横浜FCは4月上旬という早い時期に下平隆宏監督から早川知伸監督に交代、夏には一挙に5人の外国籍選手を獲得するという「大手術」を断行した。なかでもドイツのオリンピック代表GKスベンド・ブローダーセンはオリンピック後にすぐデビューして大活躍、彼がゴールに立つようになってから2勝1分け3敗という粘り強い戦いができるようになった。残り10試合で新ブラジル人アタッカーのFWサウロ・ミネイロとFWフェリペ・ビゼウの得点力が爆発することに期待が集まる。

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