■長雨の時期は白いポストの汚れが心配

 さて、日本では郵便ポストは赤というのが定番だが、私は白く塗られたポストを見たことがある。ある灯台の前に設置された郵便ポストで、灯台の色に合わせたのだ。それはともかく、サッカーでは、ゴールポストが白と決まっていることは、最初に紹介した。その理由も明白だ。

 だがいつから白になったのか、申し訳ないが、それは調べきることができなかった。ただ、私のもっている本をいろいろめくって見ると、最古で1906年の試合の写真に真っ白なゴールポストが映っている。ポストとクロスバー、そしてゴールネットというセットがそろって間もなく、ゴールポストは全体に白く塗られるようになったと見ていいだろう。

 現在ではルールで厳格に「白」と決められているゴールポスト。泥などで汚れてしまったら、どうなるのだろう。試合中なら、そのまま続行させて試合を終了させるというのが、まあ、レフェリーの常識というものだろう。だが、試合前にそれを発見したら?

 1967年の秋に行われたメキシコ・オリンピックのアジア予選、全勝同士の日本と韓国の「決戦」である。長雨にたたられた時期で、東京・国立競技場のピッチは軟弱になっており、試合が始まると白いボールは黒い土で汚れてしまった。両チームの闘志は素晴らしく、前半日本が2点をリードしたものの後半なかばまでに韓国が追いつき、釜本邦茂が突き放すゴールを決めたがわずか2分で再び同点となる。

PHOTO GALLERY 【画像】94年W杯のロベルト・バッジョの決勝シーンほかゴールそれぞれにストーリーがある
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