■「スペインは縦のパスがぜんぶ入る」

後藤「久保も最初はフロンターレだよ」

大住「三好康児がいて、板倉滉がいて、三笘がいて、田中碧がいて」

後藤「旗手は最近フロンターレに来た選手だけど、それでもフロンターレ関係者だからね。すごいチームだよ」

大住「でも、今日は2つとも外しちゃった。1点でも取れていたらね、試合も相当もつれたはず」

後藤「うん。1点ほしかったな……」

―敗因は?

大住「やっぱり試合の前半は身体が重かった。グループリーグ、つまり大会が始まったころに比べると、前へ行く気持ちであるとか、速さが足りないんだよね。だから、そこで捕まっちゃうし絡まれちゃうし。

 ニュージーランド戦から、前へ行こうという意識がひとつ弱くなってきちゃった。スペイン戦はそれでも振り絞って行っていたけど、やっぱりリズム面では足りなかったし。今回の対メキシコ戦の前半も、ニュージーランド戦のような感じになってしまった。

 繋ぐんだけど、前へ出そうかな、って思ったあとにやめてしまうプレーがすごく多いんだよ。スペインなんかは、日本との試合の120分間、とにかく持ったら、ひとつ横に繋いで、すぐに縦へ入れてきたよね。その縦が全部はいるんだ。そういったプレーを日本は追い求めていかないといけない。そういうのが入らなくなると、試合はとたんに苦しくなる」

後藤「スペインは、縦に入れようとするとコースがいくつかあった。日本の場合はコースがあっても、ひとつ。スペイン戦なんかコースがひとつもなかった」

大住「やっぱり縦パスが入らないと攻撃はできない。たとえボールを持っていても攻撃にならないし、縦パスが入ったところから攻撃スタートのようなものだから。そのスタートができない」

後藤「Jリーグでフロンターレの試合を見ていると田中からズバズバと面白いように入るからね。相手が強いと、そりゃパスコースを作らせてはくれないよね。スペインはまったく作らせてくれなかった、ただ、メキシコは多少は作らせてくれたね」

大住「読んでそこをカットしてくるからね、メキシコのディフェンダーたちもそうだったけど。なかなかスルーパスを通させてくれない」

後藤「だけどスペイン戦よりはコースを作れていたね。だから、やっぱりスペインのほうが強い。そして、この問題を解決するためには、強い相手と試合をするしかない」
 


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