大住「結局、中盤で取れないから、最終ラインで守らなきゃいけないのは、本当につらい試合ではあったよね」
後藤「中盤は、システムの関係で相手が3枚でこっちが2枚になっちゃって、というのはつらいよね。最初、ゲームの入りは6番のスビメンディに久保がずいぶんまとわりついてたけど、それができなくなっていく。向こうも逃げるしね。そうすると中盤が数的に劣勢になるのがつらいよね。ほんとに守備させるんだったら、もう1人。いれば、藤田譲瑠チマでも入れてまとわりつかせる手もあった」
大住「そうだよね。今日は守備的なボランチがなかったもんね」
後藤「板倉が使えればね。冨安健洋がいれば、板倉をセンターバックではなくてボランチで使ってさ、守り倒して最後の時間に久保や堂安を出すというプランもある」
―90分に関して、攻撃のほうはどうでしたか?
大住「組み立てようとするんだけど、最後の仕掛けができない。途中までは何とか行くし、ウイングに渡った時には相馬が出てきてからは特に抜けたけど、日本のサッカーの良さであるペナルティエリアに近づいたときにスピードのある、変化のあるコンビネーションを出す、というのが、そこまではいかなかったよね」
後藤「吉田がスペインのパスを読んでいる以上に、向こうから見たら日本のパスは全部見えちゃってた。今日の試合の1つのポイントは、両方ともパスをつなごうとするチームで、しかも向こうの方がずっとうまい。日本の守りとしても、パスつないでくれる相手に対しての守りはけっこうできるわけじゃない。もっと個人でゴリゴリ、コートジボワールのモンスターとか、韓国の長身のセンターフォワードとかの方がこわい。
でも、日本のDFはスペインのパス・サッカーを封じることができた。しかし、日本もパス繋いで攻めるから、スペインのDFが全部読み切っちゃうから、なかなかお互いにチャンスを作れない感じだったね」
大住「攻め上がっても、数的に瞬間的に同じ数になるとか、局面で人が多い形とか、なかなかできなかったんだよね。ひとりで運んで、何とかやるしかしょうがなかった、というのは……けっきょくはセンターフォワードの問題になるのかな、っていう気がするね」
後藤「でもセンターフォワードは頑張ってたよ。林大地はやっぱり」
大住「頑張ってはいるんだけどさ。あそこで抜けて、そこで繋げてって風にじゃないと、やっぱりサッカーにはならないよね」
後藤「林が前半の15分くらいに前でキープして、日本のチャンスらしいものができて。あそこで少しゲームが落ち着いたでしょ?」
大住「そうだね。それができたときはそうなんだけどさ、ペナルティーエリアのラインのあたりでできれば、シュートチャンスや得点のチャンスができたと思うんだけど。しかも囲まれて、かなり引いてきてのとこだったからね」