■「橋岡を見ていると昔の酒井宏樹を思い出す」
後藤「前半は、日本がずっとボールを持って攻めていたんだけど、どうしても決めきろうという攻めではなかった。前半は0-0で、後半に決めればいいやという意識があったね」
大住「南アフリカ戦のような感じだね」
後藤「本人たちも疲労は感じていたし、あまり無理はしないで後半勝負かな、って。それが良かったか悪かったか……」
大住「サッカーには同じ試合がないから、1試合1試合が違うのは当然分かっているんだけど、でも今大会に入っての後半の得点イメージというのは、やっぱりあったと思う。だから、メキシコ戦の前半のような、ああいう攻めがたとえできなくても、いつかは入るだろうと慌てないでいこう、そんな感じで戦っていたよね」
後藤「落ち着いて焦らなかったな、とポジティブに評価するか。消極的過ぎでは、とネガティブに捉えるか……」
大住「試合を見ていて感じたのは、右サイドの橋岡大樹のところなんだよね。橋岡は悪かったわけじゃないし、果敢に戦っていたけど、やっぱり酒井宏樹に対する信頼感と、橋岡への信頼感は違う。酒井だったら自動的に送っていたパスが、ちょっと違う、となって、久保が持って行っても堂安を探す時間があったりする。その微妙な違いが、チーム全体のリズムを壊していた気がするね。もちろん橋岡のせいではないけどさ」
後藤「酒井はチームの中心選手だったから仕方ない。でも、あの橋岡を見ていると、昔の酒井宏樹を思い出すね」
大住「僕もそう思った」
後藤「右足でドカンと強烈なクロスがいくけど、イマイチ信頼性に欠ける。見ていて懐かしかったな」
大住「じゃあ橋岡も、酒井くらいの選手になる可能性はある?」
後藤「なるな、きっと。マルセイユに売り込もう」
大住「フィジカルは近いものがあるよね、まあ、1歩2歩の速さは全く違うけど。とにかく、ニュージーランド戦にはそういったズレが色んなところにあって、前のフランス戦が良かったものだから、そのイメージのズレがどんどん広がってしまった感じ。あとは、基本的に苦しんだのは運動量がなくて、お互いの距離も遠く、アクションが少なかったという点」
後藤「あらゆる意味で疲れていた」