■賭けではなかったPK戦

後藤「PK戦は賭けだって言う人もいるけど、ニュージーランド戦のPKは勝つべくして勝った、という感じかな」

大住「2人目にリベラト・カカーチェが出てきたとき。彼はハードヒッターなんだよね、だからドカンとぶち込むんだろうなって思っていたら、意外とビビッて、コースを突いて止められていた」

後藤「彼は試合中に身体を痛めていたよね?」

大住「たしかに、試合中に一度外へ出ていたね」

後藤「そうそう、腰のあたりを打っていた。それが影響している可能性はある。だから相手には、そういう細かいところまで考えた人選がなかったのかもね」

大住「その点で言うと、後藤さんの言う通り、日本は3人目までは交代出場の選手が蹴っているんだよね。つまり足に力が残っている。それが大きなポイントだったのかもしれない」

後藤「それをやったから必ず成功するわけではないけど、今回は明らかにそういう要素があったと思う。90分出ていない人が蹴っていたよね、わりに元気な選手たち。そして、最後は吉田麻也

―板倉も中山も見事でした。

後藤「見事だったよ、非の打ちどころのないキック」

大住「PK戦になった時、ニュージーランドは練習をしこたましてきただろうけど、日本はしてないんじゃないのか?って……」

後藤「そこは森保一監督のことだから、しっかりしているはずですよ。技術委員長の反町康治さんだっているし」

大住「ああ、そうだね。あの人はやるね」

後藤「あの人は細かいよ」

―上田が一番手には驚きましたね?

後藤「上田はシュートが上手いからね」

大住「でも、シュートが上手い人が外すのがPK戦」

後藤「たしかに。釜本邦茂はPKが下手だったし、木村和司は“壁がないと入りません”って言っていた」
 

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