■「がんばって、男女ともに6試合ずつ戦ってもらいましょう」

―しかし、後藤さんが予測した流れに乗ることができれば、なでしこも希望がありますね?

後藤「グループリーグの突破の可能性は、どちらかと言うと女子のほうが高いね」

大住「そうだね、3位でもいけるし」

後藤「しかも準々決勝は男女ともにラッキー」

大住「大会にラッキーはなしですよ」

後藤「いやいや、大会なんてラッキーで勝ち抜くもんだよ」

大住「ラッキーと思ったトルコに足をすくわれたんだよ?」

ー2002年日韓ワールドカップですね。

後藤「ははは。そして敵わないと思ったベルギーといい勝負をしたよね」

大住「そうそう」

ーそれは2018年ロシア・ワールドカップ。

後藤「とにかく、今の日本のサッカーは、男子も女子も、そしてどの年代でもグループリーグ突破ができる。これはすごいことなんだけど、ただ、トーナメントの一回戦で負けちゃう」

大住「スウェーデンと男子のU―17で対戦して、日本はボール支配率が70%を超えたのに、カウンターで負けたような試合もあったね」

後藤「2019年のU―20でも、韓国が相手の勝ちゲームもロングボール1発でやられたし。U―17のブラジル大会もグループリーグはすごい調子が良かったのに、メキシコにやられたし。そんなのばっかり」

大住「メンタルの問題かもね」

後藤「なんの大会でもいいから、まずはその壁を突破しないと」

大住「だから、2018年ロシア・ワールドカップでのベルギーとの試合に話が戻るけど、もしもあそこで勝てていればね。なにか突破口が開いたかもしれない」

後藤「そうだね。というわけで、とりあえずオリンピックは、男女ともにベスト4に行けば良し、という目標かな」

―大住さんも、それでよろしいですか?

大住「そうだね。とにかくベスト4に行けば6試合できるから。要するに、女子の試合は開会式の2日前に行われて、男子は前日なんだけど。それから、閉会式の直前まで男女でサッカーの試合が続けていられれば、それが日本サッカー界の大きな力になるよね」

後藤「あとは、うんとラッキーだったら金メダル。不運ならば4位、と」

大住「女子が銀メダル、男子が4位になったロンドン・オリンピックの時が本当にそうだったんだよね。日本国民がオリンピックの期間中、ずっとサッカーに注目していたわけだから、日本サッカー界には大きなプラスになったと思う」

後藤「普段はあまりサッカーを見ていない人も、オリンピックなら見てくれる。だから、あまりドジな試合はしたくないよね。いつもサッカーを見ている人は問題ないけど、たまにしかサッカーを見ない人は、もしオリンピックで早々に負けてしまったら、日本のサッカーってダメだな、ってなるからね」

大住「がんばって、男女ともに6試合ずつ戦ってもらいましょう」

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