【東京オリンピック直前の激論】 大住良之×後藤健生(6)「男子も女子も全年代で日本はGLを突破」「ベスト4で6試合できれば日本サッカーにとって大きい」の画像
ウクライナ代表戦のなでしこジャパン(20210610) 撮影/渡辺航滋(SONY α9Ⅱ使用)
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東京オリンピック本番。サッカーは7月21日に女子のなでしこジャパン、22日に男子のU―24五輪代表が緒戦を迎える。最後のテストマッチとなる7月17日のスペイン戦終了直後の深夜に、取材歴50年のベテランジャーナリストの大住良之、後藤健生の2人が、ぞんぶんに語り合ったーー。

■「重要なのはカナダ戦」

―なでしこジャパンは、グループリーグが、カナダ、イギリス、チリの3国ですね。今年4月の段階では、カナダがFIFAランク8位、イギリスが6位、チリが37位です。カナダとイギリスが、日本よりも格上の相手という事になりますが。

大住「いまでは、カナダとオーストラリアを比べたら、オーストラリアのほうが強い気はするけどね」

後藤「そうだね。たしか一昨年の親善試合では、静岡のIAIスタジアム日本平で、カナダと対戦したじゃない? 日本の完勝だった」

大住「スピードが全然違うよね。今回のグループの中では、一番強いのはイギリスで間違いはない」

後藤「それは間違いない。あとカナダは、大ベテランのクリスティン・シンクレアがまだ代表にいたはずだよ」

大住「そうそう、まだいるんだよね」

―グループリーグは3位でも可能性があるので、勝ち上がれますか?

大住「3位でも、とは言っても、チリに1勝だけじゃ難しいかもよ。ほかで勝ち点を拾っていかないと。だから、やっぱり初戦だね。初戦で勝ち点3を取ったら、すごく可能性がある。たとえイギリスに負けたとしても、チリに勝って、勝ち点6になれば2位になれるし」

―では、7月21日のカナダ戦が重要ですね?

大住「カナダよりもオーストラリアのほうがスピードはある気がするし、日本のディフェンスラインも、それについて行けたからね。だから、7月14日の練習試合ができたのは良かったと思うよ」

後藤「たとえば男子のU―23とかU―24のチームって、どっちが強いか戦ってみないと分からないじゃない? けど、女子の場合はフル代表だし、そのうえ、女子のほうがランキングの序列がはっきりしている部分がある。

 だから、イギリスには敵わないだろうし、チリには勝てるよなって、イメージがしやすいから、それを考えると、重要なのはカナダ戦っていうのは明らかだよね」

―グループリーグを勝ち上がった場合も大変ですか?

後藤「ただ、もしE組を2位で勝ち抜けると、F組の2位と当たるんだよね。もし1位で勝ち抜けると、F組かG組の3位と当たる。F組の1位はオランダだろうから、きっと2位はブラジルか中国のはず。そうなると勝ち目があるよ。

 それに2位通過なら、会場が札幌、札幌、宮城、宮城になるんだよね。移動も少ないし、2位通過で上手く抜けるのが良い。はっきり言ってアメリカには絶対に敵わない、イギリスには分が悪い、そして、幸いにもドイツとフランスはいない」

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