■勝因は林にあった
林はどちらかといえば、ターゲット・タイプの選手である。
そして、林はホンジュラス戦でコンディションの良さもあって好パフォーマンスを発揮した。うまく顔を出してボールを収めると同時に、前線でボールをキープしてタメを作ることもできたのだ。
素晴らしい働きをしたのは12分のプレー。中山雄太からのロングパスを引き出した堂安がDFに絡まれたものの、そのこぼれ球をフォローした林が素早くつなぎ、最後は三好康児がポストに当てるシュートを放った。そして、この攻撃の後の流れで獲得したFKが先制ゴールにつながったのだが、久保が蹴った山なりのボールに反応して中央でジャンプし、相手DFの視線を引き付けたのも林だった。
そして、2点目では富安のクロスを堂安に落としてアシストも記録。自らのゴールこそ生まれなかったものの、ターゲット・タイプのワントップとして林は十分に機能した。
上田の状態が上がらなかったような場合には林はワントップとして貴重な存在になるだろうし、上田が戻って来たとしても、試合によって、状況によって上田、前田に林を加えた特徴の違う3人を使い分けることができれば選択肢は大きく広がっていく。
林が使えるメドがついたことこそ、ホンジュラス戦最大の収穫だったのかもしれない。
森保監督は86分に足が攣った中山に代えてトレーニングパートナーとして合流している藤田譲瑠チマを投入した。もし、藤田がこれから大きく成長していったとすれば、「あの試合でね」とこの試合は後世までの語り草になるかもしれない。