■プランBの想定はいかに
残された時間は180分しかないが、代表活動にとって時間制限は常に存在するもの。青き若武者にとって、東京五輪が成功しても失敗しても、今後、フル代表として戦ううえで大きな糧になるはずだ。今回、戦い方をいかに浸透させていくか、イメージを共有するかは、本番前に求められる大きなポイントだ。
もう一つのポイントは、「プランB」の想定だ。U24代表が想定している主な戦い方は「4-2-3-1」で2列目の個の力を全面的に生かそうとするものだろう。バルサ仕込みのテクニックを持つ久保建英、フル代表でも主力として活躍するナンバー10堂安律、Jリーグが誇るドリブラー三笘薫、あるいは風の申し子・相馬勇紀といったメンバーの力を、前面に出すことは当然のことだろう。
一方で、グループステージ突破や勝ち上がりをかけた場面で、別の戦い方を求められるのは自然なこと。よりリスクを負った戦い方をしなければいけないかもしれない。あるいは、失点を防ぐために守りきるための戦い方を選択しなければいけないかもしれない。もっと単純に、90分の中で崩し切るためにシステムを変更しなければいけないかもしれない。
そうしたプランB、プランCをいかに準備できるか。「なんとか同点に」という場面で攻撃のコマを急に増やしても、前線での停滞を生むだけだ。当然、ボールを前線に送り込むだけでも。戦い方の幅を広げ、想定しておくことは必要だろう。