■「トップ3」が「ワースト3」に転落か

 また、バルサはラ・リーガが定めるサラリーキャップ(年俸総額)を大幅に超過してもいる。そのため、たとえメッシと契約合意に至っても、選手登録することが認められない。つまりは、チーム編成に大ナタを振るう必要があるのだ。

 そのための放出候補として、頻繁に名前が挙がるのがグリーズマンである。年俸は加入時に1700万ユーロ(約22億円)、その後には2000万ユーロ(約26億円)とも伝えられているが、昨季のチーム内でメッシに次ぐ高給取りだったことは確かなようだ。人件費の削減にあたり、目をつけられるのは致し方ない。

 グリーズマンの今回の事件の「相棒」デンベレも、放出候補に挙がっている。2017年に加わったものの、とにかくケガが多く、稼働率が悪い。加入後の4シーズンで国内リーグ118試合30得点21アシストという数字は、前所属のボルシア・ドルトムント時代と比べると、明らかに効率が悪い。

 さらに頭が痛いのは、この2人の持つ「記録」だ。バルセロナが支払った移籍金の歴代最高額トップ3のうち、2つのイスに座るのがグリーズマンとデンベレなのだ。

 デンベレ獲得のため、バルサはクラブ歴代2位となる1億3500万ユーロ(約175億円)を費やした。続く第3位のグリーズマン獲得のためにも、1億2000万ユーロ(約156億円)をアトレティコ・マドリードに支払っている。2人合わせて約330億円が使われているが、それに見合うだけの働きをしてきたとは言い難い。

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