19日間で9連戦。2021年5月28日から6月15日にかけ、男女A代表、U-24代表合わせ、サッカー日本代表は怒涛の日程となった。五輪最終選考のための対ジャマイカ戦、ピクシーの愛称で知られたドラガン・ストイコビッチ監督率いるセルビアとのA代表親善試合、そしてなでしこ……大住良之、後藤健生のサッカージャーナリスト2人が徹底的に語り合う!
■なでしこジャパンにがんばってもらうしかない
―岩渕真奈は絶好調ですよね?
大住「岩渕はいいよね」
後藤「安定していいよね」
大住「本当にメンタルがしっかりしたよね。以前は、うまくいかない時にイライラしていたけど、今はうまくいかない時でも、なんとか集中を保とうとしているのが見て分かるよね」
―ドイツに行ったのが良かったのでしょうか?
大住「分からないけど、本人の中の問題じゃないのかな」
後藤「高倉麻子監督が岩渕を最初から信頼して、使い続けてくれたのが良かったよね」
大住「それはそうかもしれないね」
後藤「自覚にもなったし、自信にもなった。高倉監督というのは、選手の能力を見抜いて、それを伸ばすのはうまいのかもしれないね」
―まだまだ人材がいたような気がしますが、これからさらに出てきますか?
後藤「今の女子サッカーって、ワールドカップで優勝した2011年のころに比べたら、はるかに選手層が厚くなっていて、上手い選手がどこのチームにもいる時代になったのだから、もっとチーム力が上がってほしいよね。2011年のころは、なでしこリーグ1部でさえ、どこのチームにもどうしようもなく下手な選手がいたし、どうしようもないチームもあった。それに比べると、今は本当にすごいよ」
大住「ウクライナ戦の最後のほうに出てきた遠藤純っているでしょ?遠藤はスケールの大きな選手で、左ウィングだけでなく、真ん中でもできるんじゃないかと思ってるんだけどね。スピードがあって技術もあるし、左足のシュートがすごい」
後藤「けどサイドしかやらないよね? ベレーザではサイドバックもやるけどさ」
大住「そうなんだよな。まあ、要するに高倉監督が気の毒なのは、強いチームと試合を組めていない、そのためにテストが十分にできていない、という点なんだよね。13日に対戦するメキシコは骨のあるチームだと思うんだけど、それ以外がね」