■「佐々木監督の気持ちも分かる」

―この記事がアップするころにはメキシコ戦も終わっていますね?

大住「東京オリンピックが近づいているのに、なでしこジャパンの存在感というのが、ものすごく落ちてるよね。2012年のオリンピックに行った時に佐々木監督が、とにかくメダルを取らないとだめだ、ということでなりふり構わずやっていたんだよね。前年のワールドカップと比べて、まったく魅力的なサッカーではなかったんだけど、その佐々木監督の気持ちはすごくわかるんだよ。

 せっかく盛り上がった女子サッカーが、ロンドン・オリンピックでメダルが取れなかったらポシャってしまうという気持ちがあったからね。けど、あの頃の日本にメダルを期待できる球技なんてなかったじゃない?男子サッカーも含めて、バレーボールもしかり。その中で、女子サッカーだけは球技でメダルが取れるんじゃないか、という期待でなんとかもつんじゃないかって思っていたんだよね。

 今や日本はいろんな球技でメダルを取っていて、なでしこジャパンが銀メダルを取ったロンドン・オリンピックでは、バレーボールが銅メダルを取ったよね。そして、様々な競技でメダル獲得の期待が出てきている。けど、なでしこジャパンはメダル獲得の期待はされているんだけど、あまり話題になっていないよね。

 それがWEリーグの盛り上がりにも水をさしていると思うんだけど。日本サッカー協会は.WEリーグのほうに力を入れているんだけど、そうじゃなくて、本気で、なでしこジャパンにテコ入れをしなかったら、すごく苦しいことになる。

 そんな状況の中で、 7-0や8-0になるような試合しか組ませてもらっていないという現状を、もうちょっと何とかならないのか、と思うよね」

後藤「たとえばJリーグができる前の年に、プレシーズンとしてナビスコがあって、すごく盛り上がって始まったわけじゃない? WEリーグはそういうのがなくて、いきなり秋になって始まるわけでしょ?そこらへんもオリンピックでちゃんとやらないと」

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