■「吉田の成長ぶりが素晴らしい」
―あと、ここ最近の戦いで吉田麻也の存在感がすごいな、と感じたのですが。
大住「吉田は去年から凄かったね。ひとつ大きくなったなっていう感じ。長谷部誠の後を継いでキャプテンをやった。そういう環境が影響しているのかもしれないけれど、彼は本当に人間的にも素晴らしいサッカー選手になったよね。そしてそれが、チームに与える影響はとても大きい。特に若い選手たちにとってはね」
後藤「オリンピックのオーバーエイジ制度というのは、おかしなものなんだけど、やっぱり若い選手たちがベテラン選手たちの姿を間近で見られるのは、確かに良い影響を与えている」
大住「オーバーエイジ制度はFIFAとIOCの妥協の産物だからね」
後藤「それが、オリンピックにサッカーはいらない、という論拠のひとつなんだよね。ただ、結果として若い選手たちが、ベテランたちのプレーをそばで見られる良い機会にはなりますよね」
大住「日本代表チームをここまで集中して見られる機会は、今後はないかもしれないんだけど。その貴重な機会に、無観客で試合をしているのが本当に残念だよね。
選手たちも頑張っているんだけど、やはり歓声の中で頑張るというのが本当のサッカーの姿であって。歓声がない中で、一生懸命やっているのが不思議な感じはする。
たしかに凄いんだけど、なんか違う。良いプレーがあったらワッと歓声が沸く、ミスがあったらため息が出る。人間がやるスポーツなんだから、パッションの力がもたらすものがあるはず。
選手たちには本当に頭が下がるけど、せっかくの機会が、もったいないなって感じるね」