■0得点0アシストの殊勲

 川崎を川崎たらしめている41番は、まさしく“川崎の玉”だ。ユラユラとプレーしているように見える家長の戦術眼は、川崎のパスワークの根源。その動きに相手選手が寄せられ、相手チームはスペースを与えてしまう。そこを、家長も周囲の川崎の選手も見逃さない。

 横浜FCが右サイドを押し込まれてなんとか改善しようとしている中で、家長に注目しすぎてポッカリスペースを空けてしまい、登里にうまく使われてしまった前半のシーンはその典型例だ。三笘が魅せる飛車のような推進力がなくても、田中や旗手が魅せる角のような神出鬼没さがなくても、玉・家長がいればチームは機能する。

 この試合で家長は0得点0アシスト。しかし、その働きは随一だ。鬼木監督は出場機会の少ない選手を徐々にピッチに出していったが、家長をベンチに下げることはなかった。そうした選手に、41番のリズムを覚えさせるようにも見えた。

 中盤で途中からピッチに立ったのは、小塚和季塚川孝輝。小塚は大分から、塚川は松本から今季加入した選手だが、ここまで出場機会はほとんどない。この試合でも、先発の座を譲ったのは同じく今季加入したルーキーの橘田健人だった。5人が抜けたことでいくつかの“序列”が明らかになったのである。

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