■ベストの布陣で戦うことで見える「序列」

 日本代表にも、同じようなことが言える。

 28日のミャンマー戦に先発した長友佑都守田英正伊東純也鎌田大地南野拓実大迫勇也らを、先発から外すという考えかたは成り立つ(予想メンバーは別フォーメーション図を参照)。

 たとえば、左サイドバックには長友ではなく小川諒也、ボランチは守田ではなく川辺駿を起用する。2列目は右から坂元達裕原口元気古橋亨梧の並びとし、1トップに浅野拓磨を配する。3月に代表デビューを飾った小川や川辺、3月はケガで辞退した坂元らは、長い時間プレーさせたい選手だ。3月のモンゴル戦で2得点した古橋や、このところ途中出場の多い浅野も、存在感をアピールしてほしい選手である。

 ベストメンバーを組まなくていい理由が、どちらのチームにもある。

 しかし、これまで実現しなかった興味深い試合なのだ。無観客試合だが、テレビ中継もされる。前半だけでもいい。30分だけでもいい。互いにベストの布陣を組んで戦ってほしいのだ。

 単なる興味本位ではない。両チームともにベストメンバーを組むことで、東京五輪後のポジションの序列が見えてくると思うのだ。

 たとえば、2列目の右サイドは伊東が先行しているが、ビーレフェルトで復調した堂安が長友とのマッチアップで優位に立てば、再評価されるはずだ。逆に、伊東、鎌田、南野に浅野を加えた攻撃のユニットが、吉田麻也、冨安、酒井宏樹町田浩樹のDFラインを攻略すれば、日本代表のアタッカー陣が改めてクオリティを証明することになる。日本代表とU-24日本代表が対戦することで、それぞれのポジションやユニットごとの力関係が浮き彫りになる。
【後編に続く】
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