■前回の記事「チェルシーが苦戦必至のシステム」は、こちらから
いよいよ「審判の日」が訪れる。チャンピオンズリーグ決勝で、チェルシーとマンチェスター・シティが激突する。
前回の記事では、チェルシーが苦手とする相手のシステムと、トーマス・トゥヘルの知略が裏目に出たケースを紹介した。
このケースは、チャンピオンズリーグ決勝でもそのまま当てはまる可能性がある。シティの攻撃を警戒するあまり、チェルシーは守備を強化しようとして土台から崩壊するかもしれないのだ。
確かに、ケビン・デブライネ、ベルナルド・シウバ、リヤド・マフレズ、フィル・フォデン、イルカイ・ギュンドアンを擁するシティのアタッカー陣は強烈である。しかし、それを止めようとして、フィジカルベースの高い選手で守備力を担保した場合、思わぬカウンターパンチを喰らうことになる。リース・ジェイムズを最終ラインに置いた、レスターとのFAカップ決勝のように、だ。
シティはプレスの形をつくれるチームだ。パリ・サンジェルマンとのチャンピオンズリーグ準決勝セカンドレグでは、ケビン・デブライネとベルナルド・シウバを2トップにして、守備時に【4-4-2】を形成した。
これを3バック化するのであれば、左サイドバックのジョアン・カンセロを押し上げ、加えてフォデンを左ウィングにして左肩上がりの【3-4-3】を形成すればいい。グアルディオラ監督は今季この形を幾度か試しており、シティとしては戦術の練度が十分に高いシステムだと言える。