【J1分析】遠のく首位川崎の背中… 見えなかった名古屋の「奪いどころ」の画像
名古屋は再び、力強く前進しなければならない 写真:中地拓也

■5月22日/J1第15節 徳島ヴォルティス 0-0 名古屋グランパス(鳴門大塚)

 徳島ヴォルティスのダニエル・ポヤトス監督は、「残念な結果だった」と試合を振り返った。2位の名古屋グランパスを相手に勝ち点2を取り損ねた、と言いたかったのだ。

 対する名古屋から見て、どうなのか。勝ち点2がこぼれ落ちたのか、勝ち点1を拾ったのか。マッシモ・フィッカデンティ監督は、かなり水分を含んだピッチ状況に苦言を呈していたが、あまり的を射たコメントであるとは思えなかった。

 同じカテゴリーで戦っている以上、格上も格下もないが、2度目のJ1を戦う昇格組であり、1カ月ほど前まで監督が合流できない徳島を相手に、上位で争っている名古屋はボールの取りどころをつかめなかった。

 前節のようなプレッシングは鳴りを潜め、守備陣形に入ってきた相手に対しても対応が曖昧だった。ボール保持率が優劣を表すわけではないが、前半はポゼッションで大きく上回る徳島のペースで進んでいた。

 攻撃に関しては、その裏返しのような展開だった。ボールを持っては徳島の選手に激しく詰め寄られ、自由なプレーを許してもらえなかった。前半のうちは、ほぼ窒息させられている状態。そうなればマテウスがボールを求めるようになるのは自明の理で、遠目からのシュートなど何とか活路を開こうとしていたが、たった1人にあまりに大きな責任を背負わせるべきではない。

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