◼田中「どんな試合でも勝ち切れるチームが上位に行くはず」
リカルド監督は、試合後の会見で、「前半は相手に支配され、相手のセットプレーやコンビネーションプレーから危ない場面があった。後ろに引いて守ることはあまり好きではないが、我慢を強いられる時でもしっかりと対応できている。最近は無失点で抑えられている試合が多くあり、守備も安定していると思う。前半の最後のあたりから次第に落ち着いてきてボール動かせるようになったが、ハーフタイムで修正を図り、後半は攻撃も改善された。今回の相手は強敵だと思っていたので、後半の早い時間帯に点を取れて良かった。選手たちは難しい試合でよくやってくれた」と語った。
連続ゴールを打ち立てているユンカーの活躍については、「彼は得点も取るだけではなく、適切なタイミングで顔を出してフィニッシュまで持っていける。今日は後半も良いディフェンスをしてくれた。新加入選手がチームに順応していくのは重要なこと。彼のゴールはチームを救ってくれている。これからもっと良くなっていくはず」と、太鼓判を押した。
また、2試合連続ゴールを決めた田中は、試合後の会見で得点シーンでの狙いを振り返り、「クロスの場面では狙って合わせようという意識を持っていたし、あの形は練習どおりだった。個人的にはヘディングシュートはあまりない形なので、自分でもびっくりするようなゴールでした」と、笑みをこぼした。
最近の個人やチームとしての手応えを問われると、「個人的には走ることもできているし、チャンスを決め切り、ゴールやアシストができているのは良いこと。チームとしては、G大阪戦や今日の試合のように、押し込まれても自分たちのスタイルを発揮できていて、チーム力が上がっていると思います。自分たちはボールを持ちたいので、今日の前半は嫌な時間が続いたが、“こういう状況でも守り切ろう”と選手同士で声を掛け合い、失点しないようにできている。シーズンを戦う中ではこういう試合もあるのと思うので、我慢しながら自分たちのチャンスになった時には得点するということが大切。そういうチームは上位にいけると思う」と話した。
埼スタからの帰り道、サポーターたちはこんな言葉をしきりに話していた。
「良い試合ができるようになったね」――
実際、去年のシーズンでは、試合終了のホイッスルが鳴る前から席を立って帰路に就く人の姿が多く見られた。
だが、今日の試合後はほとんどのサポーターがスタジアムに残り、挨拶にやってきた選手たちの姿が見えなくなるまで、健闘を称えていた。
田中の言葉どおり、長いシーズンを戦う上では、相手にコントロールされる厳しい試合もある。しかし、どんな展開になっても勝ち点をしっかり拾えるというのは、最近の浦和の大きな強みだ。今日の試合内容をまたひとつの経験値として、チームの力にしていきたい。サポーターにとっては、“強いレッズが帰ってきた”という予感を感じずにはいられないだろう。
■試合結果
浦和レッズ 2-0 ヴィッセル神戸
■得点
47分 田中達也(浦和レッズ)
85分 キャスパー・ユンカー(浦和レッズ)