■リカルド流“交代カードの切り方”
浦和は、後半開始と同時に武藤に代わってMF小泉佳穂を、阿部に代わってMF柴戸海を送り出す。システムも4-2-3-1に変更した。リカルド・ロドリゲス監督は比較的、交代が早い。今シーズンの浦和の公式戦はここまで21試合だが、リカルド監督が後半開始と同時に交代カードを切ったのは、カップ戦も含めてこれが12試合目となる。修正を図るためなら、早い段階で大胆にテコを入れることも厭わない。
すると、この交代策が功を奏し、ボールの動きも人の動きも一気に活性化した。
浦和は後半2分、左サイドで汰木が明本からパスを受けると、相手陣内の深くからゴール前へクロスを送る。待ち構えていた田中が叩きつけるようにして頭で合わせると、相手GKの手に当たりながらも、ゴールに吸い込まれた。田中は前節のG大阪戦に続いて、2試合連続ゴールとなった。
前半は相手に攻め込まれていただけに、後半の立ち上がりでチャンスを確実に決めて先制点を奪えたことは、精神的にも優位に立てたにちがいない。その後の浦和は落ち着きを取り戻し、ボールを握る時間が増えた。小泉や柴戸が起点となって中盤でボールをさばけるようになり、前半とは見違えるほどチャンスを立て続けに作っていく。
浦和に追加点が生まれたのは、後半40分。左CKからの二次攻撃で、右サイドで西が相手のクリアボールを拾うと、ゴール前へクロスを送る。これを岩波が競ると、こぼれたところにユンカーが左足で押し込んで、2-0と浦和がリードを広げた。ユンカーは、これでリーグ戦3試合連続ゴール。カップ戦も含めてすでに5得点と、早くもチーム最多得点となった。
試合終了間際には相手も追いつこうと猛攻を仕掛けるが、結局、相手には得点を許さず、試合はこのまま2-0で終了。浦和は公式戦としては4試合連続での完封勝利となった。勝ち点を26に伸ばし、順位は6位へと躍り出た。