■パスワークがさえた後半立ち上がりの攻撃
そしてそのプレスが完全にハマって点数を奪ったのが、28分の場面だ。
GK市川がバックパスを受けた瞬間、レアンドロ・ダミアンがボールをひっかける。ボールはわずかに前方に転がる。三笘が相手のプレッシャーを感じながらも素早く寄せてチョコンと中央に出すと、詰めていた田中が見事な反転を見せたうえで左足のシュート。25番の足から放たれたボールは美しい弧を描き、ゴールに吸い込まれた。川崎の組織的なプレスと田中の個人スキルが光ったゴールだった。
他にも多くのチャンスを作りながら前半を2-0で折り返すと、後半立ち上がりにも追加点を奪う。田中が中盤でボールを奪うと、右サイドのいた家長にパス。そこから、家長→山根視来→田中とつなぐと、前線に走りこんだ山根に田中が絶妙な浮き球パス。
山根はそれをダイレクトで中に送ると、ゴール前に走りこんでいた三笘が押し込んで、点差を「3」としてみせた。三笘にとっては、これで4試合連続ゴールとなり、今季通算8ゴール目。チームとしては、6試合連続の複数得点を達成してみせた。
その後、63分に失点をしてしまったものの、チームは3-1で勝利。早川知伸監督に「1-3の結果以上に実力差を感じたゲームでした。非常に残念です。個人もそうですし、チームも含めて差があった」と言わしめたゲームだった。