■「名古屋らしさを出せれば…」
狙った形ではないかもしれない。だが、大事なのは結果を出したことだ。
たとえきれいな崩しだろうとも、決まらなければ意味がない。流れをつかんでいようとも、押し切れなければどうしようもない。追加点の場面まで、勢いは完全に名古屋のものだった。そのモメンタムを逃さないことが必要だったのだ。
形ばかりのプレッシングでもなく、口先だけのゴールと勝利への意識でもない。大きなつまずきというレッスンからの学びを、この日の名古屋は体現していた。
敗戦の将となった清水のロティーナ監督は、「相手のチーム力の高さを見せられた。妥当な結果」と名古屋を称えた。ベンチに戻ってきたマッシモ・フィッカデンティ監督は、「名古屋らしさを出せれば、こういう戦いができるとずっと言ってきた」と落ち着いて語った。
川崎との直接対決は、もうない。だが、過去を嘆いても意味はない。美しい未来を信じて前へ進む者だけに、勝利の女神は微笑みかける。
■結果 清水エスパルス 0-3 名古屋グランパス
■得点
24分 柿谷曜一朗(名古屋)
50分 マテウス(名古屋)
89分 マテウス(名古屋)