■前半と後半の戦い方の違い
前半と違い、後半の鹿島は徹底してマリノスの背後を狙い続けた。土居の2点目は白崎凌兵が相手選手を引き付けながら裏にスルーパスを出して、土居が抜け出したもの。PKを獲得したのも、松村優太の裏へ抜け出す動きに合わせて土居が裏にスルーパスを出したところからだった。さらに荒木のゴールも、レオ・シルバの右サイドからのグラウンダークロスを蹴り込んだものだが、レオ・シルバが右の裏を突いたことでできたチャンスを生み出した結果だった。
こうした得点シーン以外にも、鹿島はマリノスの背後を狙って繰り返しチャレンジした。その結果が、後半開始直後の連続得点につながったのだ。
前半も背後を狙うことはあったが、回数自体は非常に少なかった。むしろ、サイドでボールを回そうとする動きが優先され、最初の20分間で早めに背後を突いたシーンは13分の土居、16分の松村などわずかしかない。ただ、この2回はチャンスになっていたため、それをしっかりと狙っていったのだ。
この試合に集まった観客数は1万1630人。今季最多となるサポーターに、見事なゴールショーを披露してみせた。5得点は今季最多得点。常勝軍団としての姿を取り戻しつつある。今季のザーゴ鹿島では見られなかった躍動が、選手に見られた試合でもあった。