5月8日のバルセロナとアトレティコ・マドリードによるラ・リーガの首位攻防戦をテレビ観戦した翌日、ヴィッセル神戸でプレーするアンドレス・イニエスタを見に行った。かつてのヨーロッパ王者バルセロナとスペインが失った華麗なパス・サッカーの残り香が、そこにはあった。昨年12月のACLで右脚を負傷し、今月1日のJリーグ・広島戦で復帰を果たしたイニエスタ。自身の37歳の誕生日である5月11日の14時に「重要な記者会見を行う」と発表した。この世界的な名手のプレーを見ることができる時間は、そう長くはないのかもしれない。
■2対0は妥当なスコアだった
試合は、このところ絶好調の横浜FMが2対0で勝利した。
相手の守備も厳しかったせいか、このところ横浜FMの攻撃をリードしてきた新戦力のエウベルもうまくボールがコントロールできず、また、前半の早い時間に横浜FMの攻撃のタクトをふるうマルコス・ジュニオールが故障して20分で交代してしまった。
こうして、神戸戦ではJリーグの「もう一つの最強の矛」が期待通りに機能したわけではなかった。だが、横浜FMは前線からの積極的なプレッシングによって神戸の攻撃を封じ込めた。そして、マルコス・ジュニオールに代わってピッチに立った天野純が広範囲をカバーしながら長いボールを使って攻撃をリード。前半41分にはその天野のチェンジサイドからティーラトンが折り返して、トーマス・フェルマーレンのオウンゴールを誘い、さらに後半には前線でのプレスによって相手GK前川黛也のミスキックを誘発。エウベルのシュートを前川がなんとか止めたところを天野が決めて2対0で横浜FMが勝利した。
2点とも相手のミスがらみの得点だったものの、試合内容を考えれば2対0は妥当なスコアだったと言える。