■往年の最強スペインの片鱗は神戸にこそあり
結局、バルセロナとアトレティコの試合は緊迫感はたしかに高かったが、期待していたようなスペクタクルとはほど遠い試合だったので、僕は「シャビやイニエスタの時代」を懐かしみながら午前1時過ぎに眠りに落ちた。
そして、思ったのだ。「そうだ、イニエスタなら、今でも間近で見られるではないか!」と。
それから約半日後の5月9日の午後0時30分、僕は横浜の日産スタジアムにいた。横浜F・マリノス対ヴィッセル神戸の試合(J1リーグ第13節)である。神戸のイニエスタは先発ではなかったが、記者席から見るとちょうど目の前のタッチライン沿いのエリアで他の控え選手と一緒にアップしていた。
今ではスペインでも見ることができなくなった「ティキタカ」。その片鱗であるイニエスタを、こうして日本国内で見ることができるのだ。なんと幸運なことだろうか。