■アグレッシブに変貌したグランパス
4月29日の豊田スタジアムでは、名古屋は攻守にわたって消極的な試合をしてしまった。まさに、試合の入り方の失敗だった。
サイドバックはまったく攻撃に参加することができず、守備面でも相手ボールにアタックすることなくずるずると下がって受け身になってしまった。先日、名古屋のゼネラルマネージャーをしている山口素弘氏と立ち話をする機会があったのだが、山口氏も「消極的な試合をしてしまった」と嘆いていた。当然、現場のスタッフや選手も全員が同じことを感じていたことだろう。
川崎ホームの“セカンドレグ”に向けて、名古屋は戦術云々よりも、まずアグレッシブさを取り戻す必要があった。
名古屋は4月29日の試合から先発メンバーを4人変更した。そして、名古屋は“ファーストレグ”の前半30分に2人を同時に交代させて、それまでの4−2−3−1から4−3−3に切り替えていたが、“セカンドレグ”ではスタートから4−3−3を採用した。
これまでの名古屋のスタイルを捨てて、川崎と同じようにアンカーを置いた4−3−3とすることで、いわゆる「ミラーゲーム」にしてマークの関係を明確化したのだ。そして、中盤も川崎と同数にして、激しいプレッシャーをかけてよりアグレッシブな守備をしようとしたのだろう。