◼︎リカルド監督が求める「ゴール前の精度」

 試合後の会見で、リカルド・ロドリゲス監督は、「立ち上がり早々に失点してしまい、我々にとっては難しくなる展開となる失点だった。攻撃面においては、ボールを握りながら全体をコントロールできていたので、我々がやろうとしていたことはできたと思う。しかし、最後のところでうまくシュートに持っていけなかったり、ラストパスがズレてしまったりと、押し込んだ後のところが改善点として残る試合だった」と振り返った。

 リカルド監督のスタイルは、チームに浸透し、選手たちも戦術理解度を高めている。ビルドアップは連携しながら組み立てることができているし、選手個々のパス回しの技術も高い。しかし、今節では相手を崩し切る場面は少なかった。

 逆に、崩し切ることにこだわるあまりか、ゴール前でもシュートを打とうとせずにパスを選択したり、シュートに持ち込んだとしても枠を外してしまったりと、フィニッシュのところに課題を残した。結局、シュート数も相手の10本を下回り、6本に終わった。

 4月18日に行われた、リーグ戦第10節のC大阪戦でも、浦和はボール支配率が64%と、ほとんどの時間で相手を圧倒したが、セットプレーで先制されると、その後は守備を固める相手に対して、ゴール前での精度を欠いた。この試合は、リーグ戦4連勝がかかっていたが、0-1で敗れている。この試合後の会見でも、リカルド監督は、「攻め上がる時間は多かったが、ゴール前の精度が足りなかった」と、今節と同様の課題点を挙げた。

 ボールを保持する時間が長ければ長いほど、チャンスが生まれる可能性も高くなり、精神的にも相手より優位に立てる。しかし、どんなにボールを握っても得点に結びつけなければ、勝つことはできない。拮抗した試合では、相手を崩すことだけに捉われず、遠目からでもシュートを積極的に狙っていくことも必要だろう。

 浦和はこのあとも連戦が続く。5日にアウェーでカップ戦のグループステージ第5節の柏レイソルと対戦。9日にはリーグ戦第13節でベガルタ仙台をホームに迎える。試合の中日は数日間で、トレーニングで修正できる時間も限られている。短い時間でチーム一丸となって、この課題を克服できるか。

 

■試合結果

アビスパ福岡 2-0 浦和レッズ

 

■得点

8分  ブルーノ・メンデス(アビスパ福岡)

86分 ジョン・マリ(アビスパ福岡)

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