■4月29日/J1第22節 名古屋グランパス―川崎フロンターレ(豊田スタ)
1位・2位の連続対決の第1戦で、まさかの大敗を喫してしまった名古屋グランパス。開始わずか3分で自慢の堅守を崩されると、10分、23分と立て続けに失点。後半に入ってもさらに追加点を奪われてしまった。
とはいえ、名古屋も座して死したわけではない。3点を奪われた直後の30分に博打を打つ。1トップに入っていた山崎凌吾と右サイドバックの宮原和也の2人を下げて、長澤和輝と成瀬竣平の2人をピッチに送り込んだ。それに伴い、システムも変更。名古屋の堅守の基盤となってきた4-2-3-1を捨てて、4-3-3にしたのだ。3トップは中央に柿谷、右にマテウス、左に相馬勇紀を配置。中盤は、米本拓司をアンカーにして、インサイドハーフに稲垣祥と長澤を置いた。“通常”を捨てた博打だった。
最初の23分で3点を失った以上、大きく変える必要に迫られたことは事実だ。だが当然、このシステム変更にはメリットもデメリットもあった。メリットでいえば、ボールの保持がしやすくなったことだ。長澤がボールの「受けて、出して」を繰り返すことで、川崎の保持の時間を削ることができた。また、これは結果論ではあるが、失点は後半の1点だけとなった。